<エーデルワイス>
     キク科のウスユキソウ属は、日本にはウスユキソウなど5種と南千島に1種がが知られており、世界にはユーラシアの高山を中心に約50種が知られています。ヨーロッパには有名なエーデルワイス(Leontopodium alpinum)1種が分布しています。多年草又は亜低木で、丈は低くそう生し、全体が白い綿毛に被われています。
     写真のハヤチネウスユキソウは、岩手県早池峰山の蛇紋岩地帯にはえ、夏に開花します。北海道大平山には変種のオオヒラウスユキソウが分布しています。英名のエーデルワイスとは、「高貴な白」を意味し、その白さは別格で、魅力的なものがあります。ちなみに属名の Leontopodium は、「ライオンの足」という意味です。
     スイスには、以下のような伝説が残されています。
     ある天使が天国の暮らしに飽き、地上に戻ってきましたが、人間社会になじめずに高山の氷河のほとりに隠れ住んでいました。あるとき、登山者がその姿をみつけ、彼女を見るために男達の数が増えたそうですが、彼女は男を寄せ付けませんでした。男達は「せめてその愛らしい姿を見る苦しみからお救いくださるように」と祈りました。天使は天国に戻されましたが、汚れのない心だけが地上に残って花となり、白いエーデルワイスになったとのことです。