<クモイコザクラ>
     サクラソウ科のサクラソウ(Primula)属は、主に北半球の温帯〜寒帯を中心に約500種、日本には14種が分布する植物で、春〜夏に開花する花は、とても魅力的です。花には、長花柱花と短花柱花の2型があり、自家不和合性となっており、花粉の媒介はマルハナバチの仲間が関与しています。
     サクラソウ属は、プリムラの名前で多くの園芸品種が作出され、手頃な価格で販売されています。主としてヨーロッパで多くの品種が生まれていますが、日本ではサクラソウを母本として江戸時代から品種改良が行われていたようです。
     写真のクモイコザクラは、コイワザクラの変種で、南アルプス、八ヶ岳、秩父山地の岩場に見られ、葉が1/3ほど裂けて鋸歯がとがるタイプです。標高が高いところでは、5月下旬頃が見頃となります。