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<ナンザンスミレ>
スミレ科のスミレ(Viola)属は、世界の温帯を中心に約400種、日本には約50種が分布する植物で、春に開花する花は、左右相称、花弁は5個で、スミレ類に共通する花の形をしており、その姿はとても可憐です。花の形がどれも似ていることから、分類が難しいと思われがちですが、花のうしろ側に突き出ている距の形や葉の形を見れば、比較的容易に見分けることができるようになります。スミレ類だけを追いかけている方も多く、それだけ魅力的な植物といえるでしょう。スミレ類は種間雑種を作りやすく、いろんな種が交配され多くの品種が作出されています。また、自然交配種も多いです。交配種は花が大きかったり、花数が多かったりして、園芸品種としてもたいへん魅力があり、春の花壇には欠かせない植物となっています。 写真のナンザンスミレは、ヒゴスミレやエイザンスミレに似ていて、少し大型のスミレ類で、中国、ウスリー、朝鮮半島に分布し、日本には対馬で見ることができます。開花は3月中下旬で、他のスミレ類より少し早めです。花色は白〜ピンク色で、対馬では北の方は白色、南の方はピンク色の個体が多いです。ちなみに、名前の由来は、韓国のソウル近郊の南山に由来するようです。 |