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<ウメ>
バラ科のサクラ(プルヌス)属は、日本にはヤマザクラなど15種が知られていますが、ウメ、スモモ、モモ、サクランボなど栽培されている種も多く、数百種の園芸品種があります。世界では北半球の温帯に分布し、東アジアで多様化しており、200種以上が知られています。落葉又は常緑の木本で、葉は互生、単葉で、托葉があり、多くは縁に鋸歯があります。花は両性、基本は5数性で、散房花序又は総状花序をつけます。ウメは、松竹梅の一つにも数えられているとおり縁起の良い樹木ですが、日本原産ではなく、日本には奈良時代以前に渡来したと考えられ、広く栽培されています。九州などでは野生化もしています。学名は Prunus mume となっていますが、これは、シーボルトが命名するときに、日本固有の植物と考えたと思われます。 今では学問の神様として知られている菅原道真は、平安前期の学者であり政治家でしたが、政敵に負けて九州の太宰府へ流されてしまいます。道真は都落ちする時、「こち吹かば匂い起こせよ梅の花 あるじなしとて春を忘るな」と歌を読んで愛するウメの木と別れをおしみましたが、この枝が空を飛んでいき、太宰府に根を下ろしたという飛梅伝説があります。 |