<プリムラ>
     サクラソウ科のサクラソウ(プリムラ)属は、日本にはサクラソウ、ハクサンコザクラなど14種が知られ、世界にはおもに北半球の温帯〜寒帯に分布し、500−600種が知られています。多年草で、葉は地際にロゼット状に付きます。花冠は先端が5裂して開き、さらに裂片の先は2つにわかれます。園芸的にも多くの品種があり、写真のマラコイデスをはじめ、オブコニカ、ポリアンサ、ブルガリス、ジュリアンなどの種が母体となって多くの品種が生まれています。
     プリムラは、低温に比較的強いことから、シクラメンとともに年末から年明けにかけてよく花屋の店頭に並べられていますが、残念ながら耐暑性が弱いものが多く、翌年まで残る株はほとんどありません。私が小さい頃も、毎年購入していました。
     日本の代表的なサクラソウは花がピンク色ですが、ヨーロッパでは黄色のプリムラが一般的で、キバナノクリンザクラと呼ばれる種は、釣り鐘型の花が束になって下向きに咲くことから、「鍵の花」と呼ばれています。ドイツでは、天国の門番だったペテロが、誤って鍵束を地上に落としてしまい、それがキバナノクリンザクラになったという伝説があります。