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<カメリア>
ツバキ科のツバキ(カメリア)属は、日本にはヤブツバキ、サザンカ、オキナワサザンカの3種が知られ、世界には中国、ヒマラヤ、東南アジアに約150種が知られています。ヨーロッパには自生がなく、アジア発の世界的な花の1つです。ヨーロッパにはポルトガル人によって18世紀に伝えられ、19世紀には園芸植物としてブームとなり、デュマの小説「椿姫」では、主人公の好きな花して登場しています。ツバキの属名であるカメリアは、そのまま英名にもなっていますが、これは、フィリピンで東アジアの植物を紹介した宣教師カメルを記念してリンネが命名したとされます。 写真のヤブツバキは、暖地性の植物ですが、北は青森県まで見られ、最も北限に位置しています。ちなみに、ヤブツバキとサザンカはよく似ていますが、その違いは子房に毛があるかどうかが分類の決め手になり、毛があるのがサザンカ、毛がないのがヤブツバキです。また、ツバキの受粉はヒヨドリやメジロなどの鳥類によって行われており、まさに「鳥媒花」です。 |