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<スカビオサ>
マツムシソウ科のマツムシソウ(スカビオサ)属は、日本にはマツムシソウと、その変種でタカネマツムシソウ、トウマツムシソウの計3種が知られており、海岸沿いにはマツムシソウの一品種のソナレマツムシソウが知られています。世界では、地中海沿岸に多く、約70種が知られています。属名のスカビオサは「疥癬」の意味で、この属のある種に疥癬を治す薬効があることに由来します。ギリシャ神話では、半人半獣のケンタウロスの娘フィチアは、父に似て医術にすぐれていました。ある日、若い羊飼いがやってきて、胸の痛みを訴えましたが、フィチアはすぐに治してしまいました。感謝する羊飼いの目をみたフィチアは、今度は彼女の胸に鋭い痛みが走った。その後、羊飼いは別の女性と結婚し、フィチアはやつれて死んでしまいました。神は彼女をあわれみ、マツムシソウの花に変えました。葉がヤグルマギク(ケンタウレア)に似ているのは、父ケンタウロスの形見を記念しているとされています。 |